Bacca
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Bacca / 液果
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もう通行人ではいられない
わたしの春を青くしたひと
花になるための呪文
あなたの涙をためる池
愛では済まされないものの幾つか
きみのその甘さがアイラインを滲ませる
あしたの底をかき混ぜる
まだ春の鼓動を知らない
祈らずとも朝日はやさしい
胸に一番星を抱いて生まれてきたひと
いとしくって反吐がでるね
きみを弱くする3つのこと
daydream-cinema
あなたの形をおしえてよ
アンチ・アンビバレンス
なんてすてきな同族嫌悪
二人の過ちには名前がある
きみのこころの壁に穴をあける仕事
花冷えの夜半
夜明けのすきまを縫いとめて
わたしの地獄にきみはいない
一等賞のブローチが欲しい
欠けた月に貼るふせん
ぼくら奇跡の星生まれ
まつげが刃にかわるとき
可愛い子には狩りをさせよ
さよなら△ またきて死角
あなたの思考の切れ端がほしい
花の獣
どうせって笑うきみと、どうかって祈るぼく
何かを失うのに最適な日
ワールズ・エンドは仮眠室で
いつくしみの美学
きみのベースラインじゃ響かない
いつかの無垢を抱きしめる
震えるこころはいつも二つ
フェイクファーに潜める純真
絶対不可侵のひと部屋
ナントカ小惑星で心中しようよ
誰も彼もが天使をさがす日
内出血だからきっと誰も気づかない
名前もないところから壊死していく
さみしい夜の片隅に 振りかけたグラニュー糖には気づかぬふりして
yoru
星になるための仮眠
最高にハッピーでくだらない話
夏の薄片を探しに
天使不在の裏庭より
ぜんぶ嘘でいいのに
あなたはまだ歯の立て方も知らない
あなたの化石を信じてる
恋の方程式は導けない
あなたを想えば冷える爪先
ロマンス開始の密約書
きみのやさしいを咀嚼する
夜明けのリネン室でこの世のおわりを見た
2018
祈るように宛名を書いた
きみの角を丸めたら
口実のなる木
愛は三秒ルール
恋を飽食する季節
ありあり触れたい
草臥れた襟ばかりを思い出している
結晶化して嫌いな物の名前を付けた
向こう岸であの子の睫毛が燃えている
いつかこの恋が終わる瞬間を夢見ている
もしもの番人
空き地図
無菌室でのいつかのキス
いつでも幸福課
秋秋しちゃう
愛ではない何かを受信してしまった
さ 咲くも咲かないもきみが決めて
よ 夜を濾したら
な 夏のとなりで寝息を立てる
ら 落丁を知らないあなた
へ 変容する細胞
い いつか綺麗なさよならを
せ 静止した朝の消えない温もり
い いたみの閾値を確かめて
2019-2021
冬の100題(更新中)
Photo by Jonathan Knepper on Unsplash
鱗粉の足らない夜
いとしさの保温器
ほんの1カラット足りない煌き
下瞼にはうそも隠せる
星の位を結ぶひと
満ちても欠けてもやぶれても
しあわせの熱分解性
銀河に横たわる不自由を運命と呼ぶの
ミラーボールの鏡を1枚ずつ剥がしていくように
規則正しく眠る香水瓶に夢を見ていた17のころ
あの嘘が雨で剥がれてしまっても
手に持てる宝石の数は決まっているから
ときめき成分配合(ラメ入り)
つめたいを言い訳にできない
あなたと落ちる、椿になって
確かにあったぴかぴかの傷
うまく均して恋を型抜く
進化したきみは静寂を忘れた
何度も枯らしたその花の名を知る
ぼくの叡智を呪え
コンパスの指す方角に貴方はいない
夜明けを待たなくたってもうきみは大丈夫
泡にさえなれない結末を呪う
ゴーストタウン、流星群の来ない窓
今夜だけは同じ容をしているふりして
瞳の中で煮崩れた月
悪夢にきみを連れて帰る役
さよならを覚えた季節の雨が降る
となりあわせのふしあわせ
まぶたに散らした星の不在を知る頃
同じ彩度で恋をしていたかった
天使じゃないならなんだったの
おとなしく燃えついて
重なるたび欠陥を認める
嫌いなきみには靴を贈るね
全部捨てるからどうか朝まで踊らせて
#鏡の中の夜長
★!★
輝度の異なる眼差し
波打つシルクに月影沁みる
焦点では出会うはずのないひと
肋のすきまに咲き乱れて夜
逆さの魔
わたしの何かを知っている誰か
見せたくないものほど鮮明に映る
重力のない世界でもきっと同じ速度できみに堕ちる
?☆?
夜ごと虚像と漂う彼
睡るふたつの怪
かの名は
花の影の伝ふる夢
願う夜多多
どうぞ良き常世
よこときよそうとたたよふかねむるふたつのけかのなははなのかけのつたふるむねかうよたたとうそよきとこよ
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